
公教育をイチから考えよう
リヒテルズ 直子 and 苫野 一徳
日本評論社 / 2016-08
この本について
学校教育について考えるとき、「結局いまの仕組みって何を目指してるんだろう…」と立ち止まる瞬間がありませんか。子どもたちの“差”は当然あるはずなのに、同じ教室で同じ進度を求められる前提がずっと続いていることへの違和感。教科書の“正しさ”に寄りかかりすぎて、問いを育てる余白が見えないことへのモヤモヤ。自分が親としても当事者としても、うまく言語化できなかった部分です。 『公教育をイチから考えよう』は、そうした曖昧な不満を、少しずつ輪郭のあるテーマに変えてくれました。たとえば「自由の相互承認」という視点は、教育を“管理”の問題として見るのではなく、子ども一人ひとりが対等に扱われるための土台として捉え直すきっかけになります。また、答えを教え込むのではなく、問いを立てる力や“学び続ける態度”をどう育てるのかという話は、現場の具体的なシーンをイメージしやすく、理想論だけに終わらない手触りがありました。さらに、教科書中心の発想がどれほど無意識に行動を縛っていたのかにも気付かされます。 個人的には、「子どもがこれだ、と思った瞬間をどう広げるか」という記述が一番腹落ちしました。教育の本質を大げさに語るのではなく、「どうすれば子どもの好奇心が自己推進力になるのか」という、ごく日常の場面に戻して考えられるからです。 学校の仕組みを批判したい人よりも、「もっと丁寧な学び方ができるはずなのに、言葉にできないままモヤモヤしている人」に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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