
宇沢弘文の経済学--社会的共通資本の論理 (日本経済新聞出版)
宇沢弘文
日本経済新聞出版社 / 201503
この本について
仕事でも日常でも、「自分が大事にしたい価値観と、目の前の効率や利益がいつも噛み合わない…」というモヤモヤを抱えることがあると思います。目先の数字だけで判断していいのか、それとももっと別の軸があるのか。分かっているようで言語化できず、毎回立ち止まってしまうあの感じです。 宇沢弘文『社会的共通資本の論理』は、その迷いに直接答えるというより、そもそも“社会をどう見るか”という視界を広げてくれる本でした。スミスの共感の議論から始まり、ヴェブレンの制度主義やデューイの思想までつなげながら、「人間がどう生きるときに健全さを保てるのか」という土台を描き直してくれます。特に、道徳感情論を前提にしなければ国富論も理解できない、という指摘は、自分の中の“経済は効率の話”という固定観念をひっくり返してくれました。 そして、社会的共通資本という考え方が、単なる公共事業の話ではなく、生活に不可欠で代替のきかない領域をどう扱うかという現実的な問いとして立ち上がってくるのが、この本の強みだと思います。赤字の存在を「非効率」ではなく「市民の権利を守るための必要コスト」として捉え直す視点は、ふだんの仕事で“数字では割り切れない判断”をどう位置づけるか考えるときにもそのまま効いてきます。 利益と正しさのあいだで揺れやすい人、あるいは今の社会の仕組みをもう一度ゼロから見つめ直したい人に特に刺さる一冊です。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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