
経済学はどのように世界を歪めたのか――経済ポピュリズムの時代
森田 長太郎
ダイヤモンド社 / 2019-09-04
この本について
仕事で数字や効率を優先する判断ばかり続くと、「これって本当に正しいんだろうか…」とふと立ち止まる瞬間がありますよね。経済の話になると余計に、正しさより“結果オーライ”の空気が強くて、自分の中の違和感が言語化できないまま流されてしまうことがあると思います。僕も同じで、特に市場や合理性の話になると、自分の感覚が間違っているのかなと長く悩んでいました。 この本は、そんなモヤモヤに対して「そもそも経済学ってどういう思想の上に立っているのか」をゆっくりたどり直してくれます。アダム・スミスの“市場”が本来どういう文脈で語られたのかとか、“見えざる手”が実は結果至上主義の免罪符ではないこととか、教科書で見た言葉を初期設定から読み替えてくれる感覚があります。さらに、ロックやヒュームの経験主義、カントの自由、共感や道徳の話までつながっていくので、「市場の調整機能」を前提にしてしまいがちな現代の経済観が、どれだけ偏った理解の上に積み重なっているかが見えてきます。 読みながら、自分の“正しさの基準”が少しずつほぐれていくんですよね。たとえば、仕事で結果を出さなければという焦りの裏側に、「結果だけを基準にしていい世界なのか?」という別の問いが持てるようになったり、他人の行動を数字で割り切れない理由に“共感”という人間的な前提があると気づけたりする。現実がすぐ変わるわけではないけど、判断の軸が一本増える感じがあります。 「経済合理性だけでは割り切れない気持ちをずっと抱えてきた人」に、静かに刺さる一冊だと思います。
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多くの読者は第7章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの27%が集中しています。
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