
善と悪の経済学―ギルガメシュ叙事詩、アニマルスピリット、ウォール街占拠
トーマス・セドラチェク and 村井 章子
累計読者数7
平均ハイライト数 15.1件/人
star総合評価 47/100
start序盤集中型
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この本について
経済のニュースを追っていても、数字ばかりが前面に出てきて、「これって結局、人間の話じゃないのか」とモヤッとすることがよくあります。自分の判断だって、合理性だけでは説明できないのに、モデルの中では白黒がはっきりしている。その違和感をそのまま抱え続けてきた人には、この本がけっこう効きます。 読んでみて驚くのは、経済を語る土台に、古代の神話や詩、宗教的な善悪の感覚がしっかり横たわっているという視点です。たとえば、利子をめぐる価値観がアリストテレス以来の倫理観に根を持つことや、ケインズがアニマルスピリットを持ち込んだ背景にユダヤ思想があることなど、数字では拾えない「人の物語」が経済の形をつくってきたとわかります。また、経済学そのものが善悪の物語であり、どれほど精緻なモデルも結局は世界を理解しようとする寓話にすぎない、という捉え方がスッと腑に落ちます。 僕自身、仕事で判断に迷うとつい「正しい答え」を探しにいきますが、この本を読むと、そもそも経済は正義や倫理と切り離せないし、曖昧さや揺らぎも含めて人間の営みなんだ、と少し肩の力が抜けました。モデルや理論を追うだけでは見えない、背景の文化や物語まで読み解きたい人に刺さる一冊です。
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