
ケンブリッジ式 経済学ユーザーズガイド―経済学の95%はただの常識にすぎない
ハジュン・チャン and 酒井 泰介
この本について
経済のニュースを見ていると、「なんでこの専門用語だけで世界が説明できる感じになってるんだろう…?」とモヤモヤすること、けっこうあると思います。自分の生活感覚や仕事での経験とはズレているのに、「経済学ではこうです」と言い切られると、どこか置いていかれたような気にもなるんですよね。 この本が面白いのは、その違和感をそのまま肯定してくれるところです。読者の方が保存していた「経済学は決して物理学や化学と同列の科学ではない」という一文は、その象徴だと思います。経済学はそもそも人間の行動を扱うもので、絶対的な法則で割り切れるものではない。その前提に立つことで、ニュースの読み方が落ち着いた視点に変わっていきます。 具体的には、まず「専門家が言っているから正しい」という受け身の姿勢が薄れます。なんとなく難しく聞こえる政策論も、「これはどの価値観にもとづいた意見なんだろう」と一歩引いて考えられるようになります。また、いまの経済議論がどんな前提を置いているかを知ると、自分の生活に引きつけて判断しやすくなります。たとえば増税や福祉の話でも、「そもそもこの論は市場をどう見ているのか」を理解できるので、情報をそのまま飲み込まずに済むようになります。 専門知識に苦手意識があるけれど、ニュースの裏側を自分の頭で整理したい人にはとても刺さる本だと思います。自分も読みながら、世界の複雑さを前に無力感を抱く必要はないんだな、と少し肩の力が抜けました。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの57%が集中しています。
読書の順序
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