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恐山―死者のいる場所―(新潮新書)

恐山―死者のいる場所―(新潮新書)

南直哉

累計読者数5
平均ハイライト数 21.6件/人
star総合評価 69/100
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この本について

身近な人を亡くしたわけじゃなくても、「死ってなんなんだろう」「弔うって誰のための行為なんだろう」と、ふと立ち止まる瞬間があります。忙しくしていれば忘れられるけれど、どこか胸の奥に残り続ける違和感みたいなもの。自分でも扱い方がわからないまま、そのままにしている人は多いと思います。 南直哉さんの『恐山―死者のいる場所―』は、その違和感に直接答えをくれるわけではありません。ただ、死者をどう扱うかという問いを「宗教の教義」ではなく、「生きている私たちの側の問題」として差し出してくれる本です。死者は霊魂があるかどうか以前に、まず“想い出す人がいる”から存在する。弔いはその関係の中に生まれる、という視点に触れると、自分の中の曖昧だった部分が少し整理されていきます。 特に刺さったのは、死者を思う気持ちには、懐かしさと恐れが必ず同居している、という指摘でした。悲しみを乗り越える強い物語ではなく、このアンビバレントな感情を、そのまま人間の現実として扱ってくれるところに救われます。また、「一番の供養は想い出すこと」と語る姿勢は、行事や形式よりも、人と人の関係そのものに光を当ててくれます。 自分の中に説明しづらい“死への不安”を抱えている人に刺さる本です。読んで劇的に何かが変わるわけではないけれど、時間をかけて静かに効いてくる一冊でした。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

死者は実在する。懐かしいあの人、別れも言えず旅立った友、かけがえのない父や母―。たとえ肉体は滅んでも、彼らはそこにいる。日本一有名な霊場は、生者が死者を想うという、人類普遍の感情によって支えられてきた。イタコの前で身も世もなく泣き崩れる母、息子の死の理由を問い続ける父...。恐山は、死者への想いを預かり、魂のゆくえを決める場所なのだ。無常を生きる人々へ、「恐山の禅僧」が弔いの意義を問う。
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