
困難な結婚
内田 樹
アルテスパブリッシング / 20160704
この本について
結婚や家族のことって、正解があるようで全然つかめないまま日々が過ぎていきますよね。相手を尊重したい気持ちもあるのに、つい距離の取り方を誤ってしまったり、「こんな状態で大丈夫なのか」と不安になったり。そもそも結婚って何を目指す関係なんだろうと、ふと立ち止まってしまうこともあります。 『困難な結婚』を読んでいて感じたのは、内田樹さんが“うまくやる方法”を示そうとしているのではなく、「そもそも夫婦って、そう簡単にわかり合えないものだよ」という前提に立って話してくれるところでした。たとえば、相手に全部を理解してもらおうとするほど関係がきしむことや、家族にだって秘密があるのが普通だという感覚は、肩の力が抜ける人も多いはずです。また、「敬意は距離感の表明」という言葉は、近づくより先に“離れ方”を整えることの大事さを改めて考えさせられました。完璧に理解し合えなくても、遠くから手を伸ばし続けること自体が達成なんだと腑に落ちます。 さらにこの本は、結婚生活の中にどうしても存在する権力の非対称性や、約束を破ることが自分の人格にどう影響していくかなど、きれいごとでは済まない話にも触れていきます。読んでいて少し耳が痛い部分もあるのに、不思議と責められている感じはしません。むしろ「みんなこんなもんだよ」と言われているようで、現実の結婚をどう扱っていくかを落ち着いて考えられます。 「理想より、現実の人間関係の揺れを受け止めたい」と思っている人には、とても静かに効いてくる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第6章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの18%が集中しています。
読書の順序
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