
「最速で考える力」を東大の現代文で手に入れる
相澤 理
KADOKAWA / 2017-06-01
この本について
文章を読んでいると、「わかった気になったまま読み進めて、あとで全体がつかめなくなる」みたいなこと、けっこうありますよね。自分も仕事の資料でも本でも、細部に意識が持っていかれて肝心なポイントを取り逃すことがよくあって、そのたびにモヤっとしていました。 この本が役に立ったのは、読み方を抽象論ではなく“目の前の文章でどう動くか”のレベルにまで落としてくれたところです。たとえば「たとえば」が出てきたら、どこまでが具体でどこからが筆者の主張なのかを切り分ける、とか。強めの断定表現が出たら背景にある筆者の立場を拾いにいく、とか。さらに、身近なテーマのときほど中途半端な知識が邪魔するという指摘は、仕事のレポートを読んでいるときに何度も思い当たりました。知っているつもりの分野こそ、一度立ち止まる必要があるんですよね。 言葉のサインを拾いながら〈具体〉と〈抽象〉の往復を意識すると、文章の濃淡が自然と見えてきて、「どこを押さえればいいのか」がだいぶクリアになります。読み飛ばしていた指示語に戻るクセがつくと、要約の精度も変わってきました。ほんの一手間で理解の深さが変わる感じがあって、作業というより“読んでいてラクになる”タイプの技術に近いです。 文章を読むときに情報が散ってしまう人、考える前に迷子になりがちな人にはとくに刺さるはずです。読解力というより、日常の思考のすり合わせ方そのものが整っていく本でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの22%が集中しています。
読書の順序
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