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怖い絵 死と乙女篇 (角川文庫)

怖い絵 死と乙女篇 (角川文庫)

中野 京子

KADOKAWA / 2012-08-25

累計読者数9
平均ハイライト数 7.1件/人
推定読了時間 約3時間32分
star総合評価 57/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 88%

この本について

ときどき、自分でも理由が分からないのに心をざわつかせる絵や出来事に出会うことがあります。善悪とか教養とか関係なく、もっと奥のほうを刺激されるような感覚です。でもその理由をうまく言語化できなくて、モヤモヤだけが残る。そんなときに頼れる言葉を持っているのが、この『怖い絵 死と乙女篇』でした。 この本は、絵の背景にある神話や宗教、時代ごとの価値観をていねいに拾いながら、「なぜこの絵は私たちを不安にさせるのか」「なぜ美と残酷さは隣り合うのか」という問いに具体的に踏み込んでいきます。たとえば、理想化されたヌードが実はリアルとは正反対の“願望の産物”だったり、ヴィーナスという存在そのものが誕生の時点から暴力と神話的装置に満ちていたり、あるいは階級や性別の制約が絵の中の人物の表情にまで影を落としていたり。自分の「なんとなく怖い」の正体が少しずつほぐれていく感覚があります。 読んでいると、絵を見るときの視点が静かに変わります。単なる美術鑑賞ではなく、「この時代の人は何を恐れ、何を望んでいたんだろう」と自然に考えるようになる。そこまで考えてみると、自分の中にある恐れや思い込みも、時代と文化の影響を強く受けているんだなと気づきます。だからこそ、この本は絵の解説書というより、自分の感情の奥行きを確認する手がかりに近い。 自分の「説明できない感情」にときどき振り回される人に、特にしっくり来る一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

全身にみなぎる憤怒と威厳、レーピンの「皇女ソフィア」——凄絶な姉弟喧嘩の末に、権力を握ったのは? 甘やかな香りが漂う、ボッティチェリの最高傑作、「ヴィーナスの誕生」——美の背後に秘められた、血なまぐさい出生の物語とは? 自らを死神になぞらえた、シーレの「死と乙女」——実際に画家とモデルを襲ったその後の運命は? 名画に秘められた人間心理の深層を鋭く読み解く物語シリーズ第2弾。ベラスケス「フェリペ・プロスペロ王子」、ミケランジェロ「聖家族」、ダ・ヴィンチ「聖アンナと聖母子」などなど——。名画に秘められた恐怖を読み解く「怖い絵」シリーズ、待望のオールカラー電子書籍化! 電子書籍版の絵画はすべてオールカラーで収録されています。 本書には、紙版に収録されていた「作品8 セガンティーニ 悪しき母たち」の章と、以下の2点の絵は収録されておりません。 岸田劉生「麗子像 一九二一」 パブロ・ピカソ「朝鮮の虐殺」
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