
人生を愉しむ知的時間術 “いそがば回れ”の生き方論 (PHP文庫)
外山 滋比古
PHP研究所 / 1996-11-01
この本について
忙しさに流されていると、ふと「休んでいるのに休めていない気がする」「せっかくの休日が“与えられた時間”みたいで、どう使えばいいのか分からない」と感じることがあります。のんびりしたいのに、じっとしていると落ち着かない。頭ではゆっくりすべきと分かっているのに、実際にやるとなると妙に勇気がいる。自分でも理由がよく分からないまま、気づけば週が終わっている。そんな感覚、かなり身に覚えがあります。 外山滋比古さんの『人生を愉しむ知的時間術』は、この“落ち着かなさ”の正体をそっと言語化してくれる本でした。印象的だったのは、休みやヒマは「与えられるものではなく、自分でつくるもの」だという視点です。週休二日も、誰かに設定された枠として受け取っている限り、主体性を取り戻しにくいんですよね。逆に、あえて意図的にヒマをつくると、その時間の質がちょっと変わる。忙しい人ほど、わずかな空白をありがたく感じられる、という指摘にも思い当たるところがありました。 さらに、欧陽脩の“三上”の話もおもしろくて、机に向かっていない時にこそ思考が動くという感覚を再確認させてくれます。移動中や寝る前、トイレなどの「何もしない時間」をあえて残しておくことが、結局は仕事にも生活にも効いてくる。便利さを追求しすぎると、こうした余白ごと削られてしまうんだろうなと考えました。 「休み方にいまいち自信がない」「スキマ時間が全部“作業”に変わってしまう」という人ほど刺さると思います。忙しさのなかで、自分のペースを取り戻す小さなヒントがほしい時に、そっと横に置いておける一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第8章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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