
ホラクラシーの光と影 DIAMOND ハーバード・ビジネス・レビュー論文
イーサン・バーンスタイン、ジョン・バンチ、ニコ・キャナー、マイケル・リー、DIAMONDハーバード・ビジネス・レビュー編集部
ダイヤモンド社 / 2016-11-10
この本について
組織を動かす側でも、現場で踏ん張る側でも、「ルールを固めれば固めるほど動きにくくなるし、かといって自由にするとバラバラになる」というモヤモヤは、けっこうつきまといます。自分のチームでも、確実性と柔軟さのちょうどいい落としどころが見えなくて、日々調整ばかりしている感覚があります。 この本が面白いのは、ホラクラシーを礼賛するわけでも否定するわけでもなく、実際に運用したときにどこでつまずき、何が働き始めるのかをかなり現実的に描いてくれるところです。例えば、メンバーに決定権を渡すだけでは機能しなくて、必要な情報や資源へのアクセス、そして瞬時の判断ができるだけの「ゆとり」が欠けていると、逆に迷いが増えるという指摘は、自分の仕事でも思い当たるところが多いです。また、確実性と順応性が常にトレードオフになる構造を、アップルの例まで使って説明してくれるので、「うちの職場だけの問題じゃない」と少し肩の力が抜けました。 読んでいて特に響いたのは、組織を「装置」と見るか「有機体」と見るかで、マネジメントの前提が変わるという話です。監督よりも設計やコーチングの比重が上がる、という感覚は、職場の空気が変わる瞬間にも直結します。そして、日々の小さな進歩や仲間の助けが働く人の精神状態に直結しているという研究結果が、抽象論ではなく人間の動きを支える土台なんだと腹落ちします。 チームに自主管理を取り入れたいけれど、どこまで踏み込むべきか迷っている人に刺さる一冊です。自分の現場での「次の一歩」を考えるときの、冷静な視点が手に入ります。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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