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生物から見た世界 (岩波文庫)

生物から見た世界 (岩波文庫)

ユクスキュル, クリサート, 日高 敏隆, and 羽田 節子

KIC思索社 / 2005-06

累計読者数31
平均ハイライト数 6.8件/人
推定読了時間 約3時間19分
star総合評価 45/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 13%

この本について

日常の中で「相手はなぜこう動くんだろう」「自分と見えている世界が違いすぎる」と感じること、けっこうありますよね。こちらは普通に接しているつもりでも、相手にはまったく別の意味で受け取られていたりして、距離が測れないあの感じ。自分の見ている世界が「標準」だと思っていると、こういう違和感が積み重なって疲れてしまいます。 『生物から見た世界』は、その前提を静かにひっくり返してきます。動物がそれぞれ自分だけのシャボン玉のような環世界を持ち、その中で意味のある刺激だけを拾って行動している、という視点をもらうことで、「同じ空間・同じ時間を共有しているはず」という思い込みがスッと外れていきます。ダニが三つの刺激だけで生きていたり、イエバエにはクモの巣がそもそも見えていなかったり、人間とはまるで違う「世界の立ち上がり方」を知ると、自分の日常の理解の仕方も少し変わります。 特に効いたのは、私たち自身もまた知覚と作用のセットで世界をつくっている、という指摘です。遠くの車が「遠ざかる」のではなく、ただ小さく見えるだけだという話や、瞬間が一八分の一秒で切れているという話は、世界の“ありのまま”なんてものは実はどこにもないんだなと教えてくれます。相手とのすれ違いにも、「違うシャボン玉で生きているだけ」と思える余白が生まれるのが、この本の実用的なところです。 自分の感覚や前提の外側に一度出てみたい人に、静かに刺さる本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

甲虫の羽音とチョウの舞う、花咲く野原へ出かけよう。生物たちが独自の知覚と行動でつくりだす“環世界”の多様さ。この本は動物の感覚から知覚へ、行動への作用を探り、生き物の世界像を知る旅にいざなう。行動は刺激に対する物理反応ではなく、環世界あってのものだと唱えた最初の人ユクスキュルの、今なお新鮮な科学の古典。
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