
生物から見た世界 (岩波文庫)
ユクスキュル, クリサート, 日高 敏隆, and 羽田 節子
KIC思索社 / 2005-06
この本について
日常の中で「相手はなぜこう動くんだろう」「自分と見えている世界が違いすぎる」と感じること、けっこうありますよね。こちらは普通に接しているつもりでも、相手にはまったく別の意味で受け取られていたりして、距離が測れないあの感じ。自分の見ている世界が「標準」だと思っていると、こういう違和感が積み重なって疲れてしまいます。 『生物から見た世界』は、その前提を静かにひっくり返してきます。動物がそれぞれ自分だけのシャボン玉のような環世界を持ち、その中で意味のある刺激だけを拾って行動している、という視点をもらうことで、「同じ空間・同じ時間を共有しているはず」という思い込みがスッと外れていきます。ダニが三つの刺激だけで生きていたり、イエバエにはクモの巣がそもそも見えていなかったり、人間とはまるで違う「世界の立ち上がり方」を知ると、自分の日常の理解の仕方も少し変わります。 特に効いたのは、私たち自身もまた知覚と作用のセットで世界をつくっている、という指摘です。遠くの車が「遠ざかる」のではなく、ただ小さく見えるだけだという話や、瞬間が一八分の一秒で切れているという話は、世界の“ありのまま”なんてものは実はどこにもないんだなと教えてくれます。相手とのすれ違いにも、「違うシャボン玉で生きているだけ」と思える余白が生まれるのが、この本の実用的なところです。 自分の感覚や前提の外側に一度出てみたい人に、静かに刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
読書の順序
この本の前に読まれた本
この本に似ている本
すべて見る arrow_right_alt書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more
出版社による紹介
読んだ内容を、もう忘れない。
BookNotion Zなら、Kindleのハイライトを自動で保存・整理。Notionにエクスポートして、いつでも振り返れます。
クレジットカード不要




