
ラヴクラフト全集 2 (創元推理文庫)
H・P・ラヴクラフト、宇野 利泰
東京創元社 / 1976-08-20
この本について
最近、説明できない不安にふっと飲まれることが増えていませんか。理由は分からないのに胸の奥がざわつく、音や気配に過敏になる、世界の“裏側”を想像してしまう──そんな感覚って、言葉にしづらいわりに妙にリアルなんですよね。僕も仕事で疲れた帰り道、些細な物音だけで神経がざわつく日があって、「これはただのストレスなのか、それとも…」なんて考えてしまうことがあります。 そんなモードのときに読み返したのが『ラヴクラフト全集 2』でした。読者の抜粋を見ても分かるように、この本が描く恐怖は怪物そのものよりも、説明のつかない気配や、人間の言語がうまく届かない領域の“手ざわり”にあります。波が船を叩く音ひとつで体がこわばる感じや、人の声とも獣の声ともつかない響きが耳から離れなくなる感じ。そういう、理屈では片づけられない怖さに対して「自分だけじゃなかったんだ」と安心できるのが、この本の効きどころだと思っています。 もうひとつ助けられるのは、どんな恐怖も完全には言語化できないという視点です。人類は《無知》の孤島に生きている、というあの一文に触れると、分からなさを無理に整理しなくてもいいんだ、と思える。理解できないものが存在する前提で生きたほうが、むしろ心が軽くなる瞬間があります。 世界の“奥行き”に過敏な人ほど刺さる一冊です。日常の不安に名前が付けられないとき、そばに置いておくと少し呼吸がしやすくなります。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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