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コルヌトピア (早川書房)

コルヌトピア (早川書房)

津久井 五月

早川書房 / 2020-06

累計読者数3
平均ハイライト数 9.3件/人
推定読了時間 約5時間19分
star総合評価 50/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 55%

この本について

仕事でも日常でも、「どこに立って考えればいいのか」が分からなくなる時があります。システムとしての都市や組織の中で、自分の思考だけが噛み合っていないような感覚。効率や合理だけでは説明できない “居場所のなさ” に、妙な底冷えを覚えることもあります。 『コルヌトピア』を読んでいて強く感じたのは、そういうモヤモヤに対して、この物語がいきなり答えをくれるわけではないけれど、別の角度から考える余白を与えてくれるということでした。ランドスケープに身を置く主人公の時間感覚が変わっていく描写や、都市の縁で思考がほどけていく場面は、自分の思考の“形”そのものを見直すきっかけになります。そして作中で語られる「庭園という思考方法」は、効率や必然ではなく、人と環境のあいだに生まれる関係をどう扱うかという話として、日々の働き方や人との距離感にそのまま引き寄せられるんですよね。 もうひとつ、この本が quietly 効いてくるのは、「場所そのものが思考のモードを変える」という視点です。自分の考え方が環境から影響されるのは知識としては分かっていても、実際にどのように影響を受けるのかまでは意識しづらい。この物語では、植物と人間、都市と緑地、技術と倫理が混ざり合うことで、その“変化の仕方”が具体的に立ち上がってきます。 静かだけれど深く染みてくる小説です。都市の中で自分の輪郭がぼやけている気がする人に、とくに刺さると思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

2084年、人類が植物の生理機能を演算に応用する技術「フロラ」を生み出した未来。東京は23区全体を取り囲む環状緑地帯により巨大な計算資源都市へ発展していた。フロラ企業に勤める砂山淵彦は、とある事故調査の過程で天才植物学者の折口鶲と出逢う。若者たちを通して描かれる、植物と人類の新たなる共生のヴィジョンとは?SFコンテスト大賞受賞作、本篇のその後を描いた中篇を追加して文庫化。

目次

コルヌトピア 蒼転移
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