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革命前夜 (文春文庫)

革命前夜 (文春文庫)

須賀 しのぶ

文藝春秋 / 2018-03-09

累計読者数7
平均ハイライト数 47.4件/人
推定読了時間 約6時間4分
star総合評価 70/100
start序盤集中型
check_circle推定完走率 26%

この本について

うまくやれていると思っていたことが、別の場所に行った瞬間まったく通用しなくなる。自分の「箱庭」が世界に開かれていないだけなんじゃないか、と気づくのはけっこうつらいですよね。逃げたいし、でも逃げたら一生後悔するともわかっている。あの感じに覚えがある人は多いと思います。 『革命前夜』の抜粋を眺めていると、読者が惹かれているのは華やかな音楽描写よりも、「自分の殻が壊される瞬間」や「正しさの基準が国や立場で揺らぐ感覚」のほうなんですよね。たとえば、技術はあるのに誰の心にも届かない音。何かを奪われたまま戦わなければいけない焦り。相手の呼吸を感じられないと音楽にならないという事実。こういう“身に覚えのある痛み”が静かに積み上がっていく。 この本が効くのは、物語の政治的背景よりも、音楽を通して「自分はまだ閉じている」と気づかされる場面がやたら多いところだと思います。人との距離の取り方、声の届かせ方、誰かの痛みを知らないまま踏み込んでしまう怖さ。そういう実感が物語に散りばめられていて、読んだあとに自分の生活のほうが少しだけ変わるタイプの作品です。 刺さるのは「努力してきたはずなのに、どこかで壁にぶつかっている人」。音楽小説というより、殻の破り方についての小さな気づきがいくつも置かれている本だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

この国の人間関係は二つしかない。密告しないか、するか──。 第18回大藪春彦賞受賞作! 革命と音楽が紡ぎだす歴史エンターテイメント バブル期の日本を離れ、ピアノに打ち込むために東ドイツのドレスデンに留学した眞山柊史。 留学先の音楽大学には、個性豊かな才能たちが溢れていた。 中でも学内の誰もが認める二人の天才が── 正確な解釈でどんな難曲でもやすやすと手なづける、イェンツ・シュトライヒ。 奔放な演奏で、圧倒的な個性を見せつけるヴェンツェル・ラカトシュ。 ヴェンツェルに見込まれ、学内の演奏会で彼の伴奏をすることになった眞山は、気まぐれで激しい気性をもつ彼に引きずり回されながらも、彼の音に魅せられていく。 その一方で、自分の音を求めてあがく眞山は、ある日、教会で啓示のようなバッハに出会う。 演奏者は、美貌のオルガン奏者・クリスタ。 彼女は、国家保安省(シュタージ)の監視対象者だった……。 冷戦下の東ドイツで、眞山は音楽に真摯に向き合いながらも、クリスタの存在を通じて、革命に巻き込まれていく。 ベルリンの壁崩壊直前の冷戦下の東ドイツを舞台に一人の音楽家の成長を描いた歴史エンターテイメント。 圧巻の音楽描写も大きな魅力! 本作を彩る音楽は……ラフマニノフ 絵画的練習曲『音の絵』バッハ『平均律クラヴィーア曲集』第1巻 『マタイ受難曲』リスト『前奏曲(レ・プレリュード)』 ラインベルガー オルガンソナタ11番第2楽章カンティレーナ ショパン スケルツォ3番 ブロッホ『バール・シェム』より第2番「ニーグン」 フォーレ『エレジー』 ……etc. 解説・朝井リョウ
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