
この本について
人の気持ちって、信じていた相手ほど急に見えなくなることがありますよね。正義とか使命感とか、きれいな言葉で説明できそうで、実際はいつも濁っている。仕事の人間関係でも、「この人は何を背負って動いてるんだろう」と答えが出ないまま過ぎていくことが多いと思います。 『朽ちないサクラ』の抜粋を見ていると、名前が大量に保存されていて、しかも立場の違う人たちばかりなんですよね。たぶん、誰が何を守ろうとしているのか、その裏にある感情の揺れが気になったのだと思います。この小説は、警察組織の中で交錯する思惑を追う話ではあるんですが、“善悪の線が引ききれない現場で、人がどう折り合いをつけているか”に読みどころがあります。 読んでいると、正論だけでは動けない場面や、立場が変わるだけで景色がまったく違って見える瞬間が丁寧に描かれていて、自分の仕事にそのまま重ねてしまうんです。無理に正解を探すより、「人はそれぞれ別の現実を背負って動いている」という視点に切り替えられるのが、この本の効き方だと思います。誰かの行動の理由を少しだけ想像できるようになる、そんな地味だけど確かな変化をくれます。 組織の中で働くと、折れそうになることが増える人に刺さる一冊です。
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