
検事の本懐 「佐方貞人」シリーズ (角川文庫)
柚月裕子
累計読者数4
平均ハイライト数 7件/人
推定読了時間 約5時間4分
star総合評価 52/100
trending_up後半加速型
check_circle推定完走率 90%
この本について
仕事でも家庭でも、何か大きな問題に向き合うときって、つい全体を一気に把握しようとして固まってしまうことがあります。頭では「落ち着け」と思っても、現実のほうが先に迫ってきて、胸をぎゅっと掴まれるような感覚になる。あの感じ、けっこう多くの人が抱えているんじゃないでしょうか。 『検事の本懐』を読んでいて、読者の方が保存していた場面には、まさにその“息が詰まる瞬間”が切り取られていました。娘に何かあったと気づいた母の反応とか、突然日常が反転する場面。ああいう描写って、フィクションなのに自分の経験と地続きでつながるんですよね。その上で、「樹海ではなく樹を見る」という佐方の言葉が効いてくる。状況に呑まれそうになっても、一つずつ確かめることでしか前に進めない、という当たり前だけど忘れがちな視点を落ち着いた筆致で示してくれます。 派手な逆転劇があるわけではないのに、読み終えると、自分の抱えている問題も“全体像で焦らなくていいのかもしれない”と少し思える。登場人物の揺れ方がリアルだから、こちらの心拍もちゃんと落ち着いていく感じがあるんです。大事なのに見落としていた一点を拾い直す、そんな読後感でした。 こんな人に刺さると思います。状況に押しつぶされそうなときほど、足元の「一本の樹」を見直したい人。
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多くの読者は第10章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
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出版社による紹介
任官5年目の検事・佐方貞人は、認知症だった母親を殺害して逮捕された息子・昌平の裁判を担当することになった。昌平は介護疲れから犯行に及んだと自供、事件は解決するかに見えた。しかし佐方は、遺体発見から逮捕まで「空白の2時間」があることに疑問を抱く。独自に聞き取りを進めると、やがて見えてきたのは昌平の意外な素顔だった...。(「信義を守る」)
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