
成年後見制度の闇
長谷川学、宮内康二
飛鳥新社 / 2018-03-09
この本について
親の判断力が落ちてきたとき、どこまで自分が手を出してよいのか。何をしたら逆に状況を悪くしてしまうのか。頭では「制度に頼れば安心なんだろうな」と思いながらも、具体的なイメージが湧かず、ただモヤモヤが積もっていく……。僕も同じ状態でした。 この本が効いたのは、制度の建前ではなく、実際の“運用のズレ”をそのまま見せてくれたところです。申し立てが一度通ると止めづらいことや、預貯金の額によって家族が後見人になれなくなる現実、専門職が選ばれた途端にお金の出し入れすら自由にできなくなる状況など、「いつの間にか家族の選択肢が消えていく」流れが具体的にわかります。読者の方が保存していた部分も、まさにこの“制度と生活の距離感”への違和感に刺さったのだと思います。 とはいえ、この本は職業後見人を一方的に悪者にするものではなく、「どういう準備をしておけば家族の意思が守られやすいか」という現実的な視点を示してくれます。預貯金額をどう扱うべきか、抗告という手段が存在すること、任意後見や補助という選択肢を早めに検討しておく重要性など、明日から家族で話せるレベルの具体性があります。 「親のこれから」を考え始めたけれど、制度の表向きの説明だけでは不安が消えない人に刺さる本です。僕自身、読んだ後は“何も知らないまま流されるリスク”をようやく自覚できました。制度を使うかどうか以前に、まずはこの現実を知っておくことが大事だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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