
不合理だらけの日本スポーツ界
河田剛
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2018-04-12
この本について
部活や子どもの習い事を見ていると、「勉強とスポーツって、どちらかを削るしかないんだろうか」というモヤモヤがつきまといます。両立なんて理想論に思えて、結局どちらも中途半端になってしまう。自分自身の経験を振り返っても、同じ壁にぶつかってきた人は多いと思います。 この本を読んで印象的だったのは、アメリカの大学スポーツが“根性論の真逆”で成り立っていることでした。たとえば、スタンフォードの学生アスリートが「勉強もスポーツも同時に全力でやることで、時間管理の力が鍛えられる」と話すシーン。両立を精神論で乗り切るのではなく、仕組みとしてそうせざるを得ない環境があるから身につく、という当たり前だけど見落としがちな視点にハッとさせられました。さらに、一定の成績を取れなければ試合に出られないという制度も、日本の「スポーツは特別待遇で守るもの」という空気とは真逆で、妙に現実的なんですよね。 また、スポーツとビジネスを切り離すガバナンスの話や、NCAAでコーチの人数が明確に制限されている点など、感情論ではなく“運営の仕組み”がアスリートの成長を支えていることが丁寧に示されています。読んでいると、努力の量よりも環境設計の方がずっと影響が大きいのでは、と視点がひっくり返る感覚がありました。 日本のスポーツ界や教育に「なんでこうなるんだろう」と感じたことがある人には、静かに刺さります。自分の経験だけでは説明のつかなかったモヤモヤに、少し輪郭がつく一冊でした。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの36%が集中しています。
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