
UXリサーチの道具箱 イノベーションのための質的調査・分析
樽本徹也
株式会社 オーム社 / 2018-04-25
この本について
ユーザ調査をやっていると、「いろいろ聞いたはずなのに核心に届いていない気がする」とか、「インタビューの場がうまく温まらない」「結局“声”ばかり集まってしまう」みたいな引っかかりが残ることが多いと思います。自分もまさにそこでつまずき続けてきたタイプで、形だけ手法をなぞっても体験そのものに届かない感覚がありました。 この本が良かったのは、調査の型を教えるというより、そもそもどんな姿勢でユーザと向き合うべきかを具体的なシーンで示してくれるところです。例えば、インタビューは“質問を用意する”ことではなく“文脈から問いを見つける”行為だと説明されていて、次の質問を考えるのに必死で相手の話を聞けていなかった自分にはかなり刺さりました。また、ジャーニーマップやユーザストーリーといったアウトプットを「魔法の図ではなく、失われた物語を補うための手段」と位置づけてくれるので、形式に振り回されない設計思考が少しずつ身につきます。さらに、AS-ISとTO-BEのシナリオを行ったり来たりしながらチームで議論する流れも描かれていて、調査結果を開発につなげるときの手触りがイメージしやすいのもありがたいところでした。 形式やフレームワークよりも、ユーザの体験を地道に理解したいと思っている人に向いている本です。自分と同じように「調査しているのに、実態がつかめていない気がする」と感じているなら、一度手に取ってみても良いと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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