
論証のレトリック ──古代ギリシアの言論の技術 (ちくま学芸文庫)
浅野楢英
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この本について
仕事でも日常でも、「正しいことを言っているはずなのに、なぜか伝わらない」という場面がけっこうあります。相手の誤解に気づきつつも、どう説明を組み立てればいいのか分からないまま終わってしまう。自分でももやっとするし、相手にも届かない。そんな場面が積み重なると、そもそも“うまく話すって何なんだろう”という根っこの疑問が出てきます。 『論証のレトリック』は、その悩みに対して、今のテクニック本とはまったく違う角度から光を当ててくれます。説得は論理だけで動くものではなく、相手の感情や自分の人柄までも含んだ「総合的な営み」だというアリストテレスの視点は、実務の場面にも意外なほどそのまま生きます。また、イソクラテスが言う「厳密な知識はそもそも人間には不可能」という前提は、完璧な説明を目指して行き詰まっているときに、変な力みを落としてくれます。さらに、「真実そのものではなく、人がそれらしいと思うものが説得を動かす」という指摘も、会議や提案の場での“現実”として身に覚えがある人にはかなり刺さるはずです。 古代ギリシアの話ではありますが、言葉で人と関わる以上、避けられないテーマばかりです。とくに、正しさだけでは前に進めないと感じている人に向いています。
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