
忘却の整理学 (ちくま文庫)
外山滋比古
この本について
仕事でも勉強でも、「ちゃんと覚えておかないと」と力むほど頭が重くなることってありませんか。インプットはしているのに思考が詰まった感じがして、むしろ前より動けなくなるあの感覚。自分の記憶力が弱いだけなんじゃないか、と落ち込んでしまう人もいると思います。 外山滋比古『忘却の整理学』は、そのモヤモヤにまったく別の角度から風を入れてくれる本でした。覚えられないことを責めるんじゃなくて、「忘れることが思考を動かす」という考え方に立つんです。いったん忘れてからの方がオリジナルな発想が出てくること。頭の中を一度ぬぐわないと、新しい知識は入る場所がないこと。勉強でも仕事でも、まず休んで“腹をすかせる”ような時間を意識的につくると、記憶も創造もまわりやすくなること。どれも自分の経験に思い当たるところがあって、読みながら肩の力が抜けました。 この本がいいのは、「忘却=欠陥」という思い込みを静かにほどいてくれるところです。成功だけが残って失敗は自然に削れていくとか、忘れ方そのものがその人の個性になるとか、無理に前向きにしようとしているわけではないのに、読んでいるうちに「まあ、忘れていいんだな」と思える。考えつめて煮詰まるより、いったん放置した方が答えが出るあの感覚にも理由があるのだと納得できました。 「頑張っているのに頭がいっぱいで動けない人」に、ひっそり効く一冊です。自分の思考がもう少し軽くなってほしいと感じているなら、読んで損はないと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの39%が集中しています。
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