
才能をひらく編集工学 世界の見方を変える10 の思考法
安藤昭子
ディスカヴァー・トゥエンティワン / 2020-08-28
累計読者数52
平均ハイライト数 29.4件/人
推定読了時間 約5時間13分
star総合評価 67/100
start序盤集中型
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この本について
仕事でも日常でも、同じパターンの考え方から抜け出せなくて、「自分の見方って固定されてきてない?」と不安になる時があります。私自身、経験や習慣が積み重なるほど、世界の輪郭が逆に狭まっていくような感覚がありました。この本を読んで少し救われたのは、「前提そのものが動く世界で、どう視点を持ち替えていくか」という問いを真正面から扱っていたことです。 特に響いたのは、思考を“つくり直す”感覚に近い部分です。たとえば、目の前の出来事を説明するために「こんな可能性もあるかも」と飛躍してみるアブダクション、環境との関係から生まれるアフォーダンス、そして連想力としてのアナロジー。どれも特別な才能ではなく、日々の観察や小さな違和感から育てていけるものだと示してくれます。さらに、情報を一つの軸に閉じ込めず「乗り換え・持ち替え・着替え」させるという考え方も、凝り固まった思考をほぐす助けになりました。 この本は、仕事の精度を上げたい人よりも、「自分の見方そのものを柔らかくしたい人」に向いています。世界を知り尽くせない前提のまま、それでもどう動くかを考えるための、地に足のついた思考の道具箱のような一冊です。
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出版社による紹介
コロナ、AI、異常気象…… 押し寄せる変化を「編集力」で味方につける! 「編集」という言葉から、何を思い浮かべるでしょうか? 雑誌・書籍の編集や映像の編集のような、何かしらのメディア情報を取り扱う職業的な技能をイメージされるかもしれません。 ここでは、「編集」という言葉をうんと広い意味で捉えます。 そもそもわたしたちは、ありとあらゆる「情報」に囲まれて生活しています。 起きた時の体の感じ、外の天気、出かけるまでの持ち時間、テレビから流れるニュース、朝食のメニュー、クローゼットの服と今日のコーディネート、 いずれも「情報」であり、そういった雑多な情報をのべつ幕なしに「編集」しながら生きています。 ここで言う「編集」とは、こうした「情報」に関わるあらゆる営みのことを指すものです。 本書で考える「編集力」は、明日の仕事や暮らしに役立つ技能、という範囲にとどまるものではありません。 この世界のいたるところにある編集の営みを思い、新たなものの見方やそこにある方法を発見していくことを通して、ひとりひとりの中に思い思いに引き出されていくまだ見ぬ潜在力こそが、本書で取り扱いたい編集力です。 生命活動のOS(オペレーションシステム)とも言える広義の「編集力」を、「方法」として工学的に読み解くことで、人間が携えるべき基本的な能力の仕組みを明らかにし、改めて装填し直していく。 「編集」を「工学」することによって、あるいは「工学」を「編集」することをもってして、相互作用する複雑な世界の中で、人間に本来備わる力が生き生きと立ち上がっていくことを、「編集工学」は目指しています。 そして、この「人間に本来備わる力」というのは、その現れ方がひとそれぞれに違うはずです。おそらくこれを、「才能」というのだと思います。 才能の「才」は、古くは「ざえ」とも読み、石や木などの素材に備わる資質のことを言いました。それを引き出すはたらきが「能」です。 「才」は素材の側にあり、「能」は職人の腕にある。才能とは、引き出す側と引き出される側の相互作用の中にあらわれてくるものであるようです。 内側にある「才」をいかに引き出せるか。自分個人だけでなく、他者の「才」やチームの「才」、場の「才」ということもあるでしょう。 素材の内側と外側を自由に行き来する「能」としての、しなやかな編集力が必要です。 自分の内側に眠る「才」の声を聞き取り、編集力という「能」をもって表にあらわす。そこに関与するさまざまな方法をエンジニアリングしたものが、「編集工学」であるとも言えます。
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