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ゴルギアス (岩波文庫)

ゴルギアス (岩波文庫)

プラトン、加来 彰俊

講談社 / 2023-04

累計読者数3
平均ハイライト数 66.3件/人
star総合評価 67/100
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この本について

最近、「自分の言葉がどれだけ中身を伴っているのか」みたいな不安を覚えることが多いです。仕事でも議論の場でも、声の大きさや弁の立つ人に流されてしまう瞬間があって、あとから「あれ、本当に正しかったのかな」とじんわり残る、あの感じです。 『ゴルギアス』を読んでいて、抜粋された部分から伝わってくるのは、まさにそのモヤモヤに触れる問いばかりでした。正しい知識がある人より、説得の技術を持つ人のほうが簡単に優位に立ててしまうこと。知らないのに、知っているように見せることがいくらでもできてしまうこと。そして、議論の目的が「真理」ではなく「勝つこと」にすり替わると、こちらの思考まで歪んでいくこと。このあたり、日常でも思い当たる場面がありすぎて、ちょっと冷や汗が出ます。 この本が効くのは、説得の技術そのものを学べるからというより、「そもそも何のために言葉を使うのか」を一度立ち止まって見直せるところです。ソクラテスが何度も問い返す姿勢を眺めていると、ただ質問し合うだけのやりとりにも、相手の意図と自分の欲望がにじみ出るんだなと気づかされました。特に「善いものを望むとはどういうことか」という話は、仕事の判断に迷ったときに、短期的な利益と長期的な善がごっちゃになっている自分を整理するのに役立ちます。 声の強さより、問いの強さを持ちたい人に刺さる本だと思います。

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