
僕たちは、宇宙のことぜんぜんわからない――この世で一番おもしろい宇宙入門
ジョージ・チャム、ダニエル・ホワイトソン、水谷 淳
ダイヤモンド社 / 2018-11
この本について
仕事でも日常でも、目の前のことに気を取られていると、世界の尺度がすごく小さくなっている気がしませんか。自分の判断や感情が「絶対」のように見えてしまって、行き詰まったときほど視野の狭さに気づけないというか、僕自身よくそこで迷います。 この本は、そんな凝り固まった感覚をふっと外側に連れ出してくれる一冊でした。たとえば、質量の正体が「速度を変えさせられそうになったときの抵抗」だという説明に触れると、当たり前と思っていた概念が別の顔を見せてきます。ニュートリノが何兆キロもの鉛をすり抜けるとか、宇宙の中心がどこかにあるわけじゃなく全方位から遠ざかっているとか、そういう“常識の外側”を覗く感覚が続くのですが、それが不思議と地に足のついた解像度につながってくるんです。 一番効いたのは、「世界はこう見えているはず」という自分の前提がいかに狭いかを、押しつけではなく具体的な現象で示してくれるところ。ダークマターのように「見えないけど確かに影響しているもの」が宇宙に満ちているという話は、日常の人間関係や仕事の判断にもどこか通じるものがあって、自分の理解できる範囲だけで物事を測る怖さを思い出させてくれました。 頭を柔らかくしたいけれど、抽象的な精神論には疲れてしまう人に刺さると思います。宇宙の話をしているのに、いつの間にか自分の視野が広がっている、そんな不思議な読後感のある本でした。
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