
隠れていた宇宙(上)
ブライアン・グリーン, 竹内 薫, and 大田 直子
早川書房 / 2011-07
この本について
仕事でも人生でも、目の前の問題に気を取られて、全体像がどこにあるのか見失うことがありませんか。自分の判断が正しいのか、そもそも「世界の仕組み」をどれだけ理解できているのか、不安になる瞬間ってけっこうあると思うんです。僕もそうで、視点が凝り固まっているときに限って、同じところを堂々巡りしていました。 『隠れていた宇宙(上)』は、そういう日常の迷いをいったん放り出して、もっと大きなスケールから世界を見るきっかけをくれる本でした。相対性理論の三行しかない「納税申告書」みたいな説明に触れると、複雑だと思い込んでいたものが案外シンプルな原理で動いていることに気づきますし、重力が「ロープがないのに地球を動かす理由」を空間のゆがみとして捉えると、自分の理解が一段階アップした実感がありました。そして、インフレーションや泡宇宙の話にくると、自分が悩んでいた範囲がいかに小さかったかを静かに教えてくれます。何かを決めるときに、短期的な視点だけで焦っていた自分が少し落ち着くような感覚です。 特に、測ろうとすると必ず別の側面の精度が落ちるという不確定性の考え方は、仕事で「全部完璧に」やろうとして動けなくなる自分の癖と重なりました。何かを選ぶなら、何かを手放すのは自然なことなんだと腑に落ちる。そのさじ加減を考えるうえで、この本は現実的なヒントをくれます。 自分の視野を強制的に広げたい人、そして今いる場所の意味づけを変えたい人に静かに刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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