
重力とは何か アインシュタインから超弦理論へ、宇宙の謎に迫る (幻冬舎新書)
大栗 博司
幻冬舎 / 2012-05-28
この本について
ときどき、ふと「自分は世界の仕組みをどれだけ理解できているんだろう」と不安になることがあります。仕事でも生活でも、目の前の判断に迷うときって、足元の理屈そのものが揺らいでいる感じがするんですよね。そんなときに、重力や宇宙の話のような“いちばん根っこの仕組み”に触れると、なぜか視界が少しだけ澄むことがあります。 この本が効くのは、難しい理論を暗記するからではなく、「当たり前だと思っていた世界の説明が、実は歴史の中で何度も更新されてきた」という空気感が伝わるところです。例えば、重力を“粒子が運んでいる”かもしれないという視点は、リンゴが落ちるという身近すぎる現象の裏に、想像以上のドラマがあることを思い出させてくれますし、ブラックホールの情報問題や量子のゆらぎの話は、世界が単純な方程式では割り切れないという安心にも似た感覚をくれます。自分の理解が追いつかない瞬間があっても、それを「世界の側の複雑さ」と捉えられるのは、心が少し軽くなる体験でした。 専門書ではありますが、著者が実験や観測の現場を具体的に描いてくれるので、“遠い話”では終わりません。暗黒物質を光の曲がりで探すエピソードや、重力波を捕まえようとする研究の泥くささを読むと、新しい視点が生まれる瞬間ってこういう積み重ねの先にあるんだなと感じます。 「自分の理解を一段深くしたいけれど、何から触れればいいかわからない」という人には、ちょうどいい入口になる一冊だと思います。
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多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの25%が集中しています。
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