
強い力と弱い力 ヒッグス粒子が宇宙にかけた魔法を解く (幻冬舎新書)
大栗博司
幻冬舎 / 2013-01-30
この本について
仕事でも日常でも、目の前のことに追われていると、世界のしくみなんて考える余裕がないまま時間が過ぎていきます。でもふと、「そもそも自分が立っているこの世界って、何で成り立っているんだっけ」と足元がぐらつくような感覚に襲われることがあるんですよね。自分が小さな悩みの中に閉じこもっている感じがして、もう少し大きな視点がほしくなるというか。 大栗博司さんの『強い力と弱い力』は、そこで一歩踏み出すための手すりのような本でした。といっても、難しい数式を覚えるタイプではなく、身の回りの物質の重さの正体が、実はクォーク自身ではなく「それらを閉じ込める力のエネルギー」だという話や、太陽が50億年かけて燃えていられるのは弱い力が“弱い”からだ、という説明など、具体的なシーンから世界の仕組みに触れられます。LHCの加速器がTGV並みのエネルギーで粒子をぶつけ続けている事実や、DNAの損傷がどう起きるのかといった話も、日常と宇宙のスケールが地続きなんだと感じさせてくれました。 読んでいて思ったのは、世界の成り立ちを知ることは、変にスピリチュアルな意味ではなく、自分の悩みを相対化するための「足場」をつくってくれるということです。ちゃんと確かめられた理論や実験の積み重ねの上で語られるので、話が大げさにならず、地に足がついたまま視野だけが広がる感覚があります。 自分の立っている世界の“当たり前”を一度リセットしてみたい人に刺さる本だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの29%が集中しています。
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