
〈効果的な利他主義〉宣言!――慈善活動への科学的アプローチ
ウィリアム・マッカスキル、千葉敏生
みすず書房 / 2018-11
この本について
仕事でも寄付でも、「これでいいのかな…」と手応えがなくて迷うことがあります。頑張っているつもりでも、実際どれだけ影響があるかは自分では測りにくいし、情熱に従えと言われても、その情熱自体がよくわからないまま時間だけ過ぎていく。そんなモヤモヤを抱えている人は多いと思います。 この本が面白いのは、そうした迷いを力技で吹き飛ばすのではなく、選択肢の幅を広げる視点をくれるところです。たとえば「特殊技能より汎用スキルを磨いたほうが選択肢が残る」という話は、キャリアに行き詰まりを感じているときにかなり効きます。また、寄付についても、組織の大きさより「追加で1ドル使ったら何が起きるか」を見るという視点がすっと腹に落ちる。フェアトレードの例や、実は逆効果なプログラムの話など、思い込みをやさしく裏返してくれるケースが多くて、読んでいて肩の力が抜けました。 さらに大事だと思ったのは、著者たちが「自分たちも確実にはわからない」という姿勢を持ったまま、試行錯誤の方法を提示しているところです。キャリアも寄付も、頭で考えるだけでは精度が上がらないから、小さくテストして学んでいく。その発想が、迷いを抱えたままでも前に進んでいいんだと思わせてくれます。 自分の選択がどれくらい影響を持ちうるのか、現実的に確かめたい人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第5章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの21%が集中しています。
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