
負動産時代 マイナス価格となる家と土地 (朝日新書)
朝日新聞取材班
この本について
将来の相続や実家の扱いについて、なんとなく「そのうち考えればいいか」と思いながらも、ニュースで空き家問題を見かけるたびに胸の奥がざわつくことがあります。自分の家族に起きるかもしれないし、気づいたら自分も当事者になっているかもしれない。けれど、何から理解すればいいのかは意外と分からないままなんですよね。 『負動産時代』は、そういう宙ぶらりんなモヤモヤに、少し地に足をつけてくれる本でした。読んでみて気づくのは、「空き家が増えている」「所有者不明土地が問題」といった表面的な話の裏に、制度のゆがみや長年の政策の惰性が折り重なっているという事実です。相続税の仕組みが更地を不利にし、借金をすると節税できるという構造が、“不動産を持つほどしんどい時代”をつくってきたこと。読者が保存した抜粋にもありますが、こうした背景を知るだけで、自分の家族や自分自身の判断に「何を見落としていたか」が整理されていきます。 もう一点、個人的に刺さったのは、2025年前後から団塊世代の大量相続が本格化し、土地余りが一気に表面化するという指摘です。これは未来の話ではなく、いまの判断が数年後の負担に直結する可能性があるということでもあります。アパート建築やサブリースの裏側も丁寧に取材されているので、「なんとなく儲かりそう」で判断する危うさを、煽らずに教えてくれます。 焦って行動しろ、という本ではありません。けれど、相続や不動産に「よく分からないまま将来の自分に投げている」人には、いまの立ち位置を確認する地図のように働くと思います。こんな人に刺さる本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第4章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの50%が集中しています。
読書の順序
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