
デジタル・ゴールド--ビットコイン、その知られざる物語 (日本経済新聞出版)
ナサニエル・ポッパー and 土方奈美
日経BP / 2016-09-23
この本について
お金の話って、日常でいちばん使っているはずなのに、その仕組みをちゃんと理解しているかと言われると自信がないまま動いてしまうことがあります。銀行を経由しないと1円すら送れないことに違和感を覚えつつも、「そういうものだよね」で片づけてきた感じです。でも、もしその当たり前がただの思い込みだったとしたら……と考えさせられたのが『デジタル・ゴールド』でした。 この本の面白さは、ビットコインを「投資の道具」じゃなく、「通貨とは何か」を考え直す入口として描いているところです。お金は台帳であり、信用で成り立ち、誰かがその記録を握っているからこそ動くものだとわかる。だからこそ、「一センチ送れないのに、動画は遅延なく届く」という抜粋が妙に刺さった人も多いはずです。現実の摩擦と、技術でそこを解消しようとした人たちの泥くさい試行錯誤が、生々しく描かれます。 読み進めていくと、通貨の稀少性や耐久性といった教科書的な条件より、「誰が管理しているのか」「プライバシーは守られるのか」という、人間側の事情がどれだけ大きかったかが見えてきます。ビットコインの技術的説明もありますが、むずかしい概念を理解するというより、「既存の仕組みでは満たしきれなかったニーズが確かにあった」ことが腑に落ちる感じです。 今の金融の仕組みにモヤモヤがある人や、「通貨って結局なんなの」と一度立ち止まって考えてみたい人には特に刺さると思います。
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