
美人の正体 外見的魅力をめぐる心理学
越智啓太
実務教育出版 / 2013-08-28
この本について
人と接していると、「結局、見た目で判断されてない?」みたいなモヤモヤがふと湧くことがあります。自分の中身を見てほしい気持ちと、現実のズレが埋まらないまま大人になってしまった感覚というか。僕も仕事で初対面の印象に振り回されることが多くて、なんとなく腑に落ちないままでした。 この本は、その感覚を「気のせい」で片づけず、実証研究で丁寧にひっくり返してくれます。美人の性格が“良いと認知されがち”なのは、外見と性格の関係というより、初手の印象を変えづらい人間のクセのほうが強く働いていること。デートを重ねても最初の印象がほぼそのまま維持されるのは、相手の行動を解釈するときに自分の最初の判断を守ろうとするからだということ。こういう具体的なメカニズムがわかると、「なんでこうなるの?」という長年の疑問が少し整理されます。 さらに意外だったのは、美人やハンサムは実は恋愛面で不利になる構造までデータで示されているところ。外見が強みである一方で、自分と釣り合う相手の母数が減ってしまうという、ちょっと悲しい話も含めて、「見た目の良し悪し」という単純な話ではない現実が見えてきます。人の評価は複雑に絡み合っていて、だからこそ悩んで当然なんだと思えました。 「見た目と人間関係の距離感にずっと違和感がある人」にしっくり来る本だと思います。データを通して現実の構造を知ることで、少し呼吸がしやすくなる一冊でした。
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