
美貌格差―生まれつき不平等の経済学
ダニエル・S・ハマーメッシュ and 望月 衛
東洋経済新報社 / 2015-03-12
この本について
仕事をしていると、ときどき説明のつかない差に出会います。自分と相手のスキルがそこまで違うわけでもないのに、なぜか評価やチャンスに差がつく。そういう場面が続くと、「結局、人は見た目なのか…」と考えてしまうことがあります。でも、その一言で片づけるには、あまりにも現実が複雑だという感覚も同時にあるんですよね。 『美貌格差』は、そのモヤモヤを雑に肯定も否定もせず、数字で輪郭を与えてくれる本でした。容姿と収入の関係がどれくらいあるのか、男性と女性でどこが違うのか、そしてその差がどこから生まれているのか。ただの「美人は得をする」という話ではなく、誰の選好がその差を生んでいるのかを丹念に追いかけていきます。抜粋にあった、生涯収入の差や、男性と女性でペナルティの幅が違うこと、さらには身長や体重との違いまで踏み込んでいて、日常で感じる違和感が少しずつ位置づけられていく感覚がありました。 読みながら、見た目の問題を「努力でどうにかする」方向に振り切ることの限界もはっきりします。化粧や服装で変えられる幅は意外と小さく、偶然や運の影響が収入には大きい。それでも、どこで差がつきやすいのかを知っておくと、自分が気に病まなくていい部分と、環境側の歪みとして扱うべき部分の線引きが少しだけ楽になります。 不遇感の理由を自分だけの問題にしたくない人、職場の「説明のつかない差」に疲れている人には、とくに刺さる本だと思います。
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多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの32%が集中しています。
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