
世界史とヨーロッパ ヘロドトスからウォーラーステインまで (講談社現代新書)
岡崎勝世
講談社 / 2003-10-20
この本について
歴史を勉強していると、「結局、いまの世界の成り立ちってどこから来たんだろう」「ヨーロッパ中心の歴史観って、どれくらい作られたものなんだろう」といったモヤモヤが残ったままになります。自分も仕事で歴史的な文脈を扱うとき、部分的な知識はあっても、大きな流れの“根っこ”が曖昧なまま手を動かしている感覚がありました。 この本は、その曖昧さをほどくときの“地図”としてかなりありがたかったです。たとえば、世界史の出発点がヘロドトスなのか、ポリュビオスなのかという話だけでも、ヨーロッパがどんな前提で自分たちの歴史を描き始めたのかが見えてきますし、「帝権がどこに移りゆくのか」という古代の世界観が、後のキリスト教や中世の世界像にどう受け継がれていくのかも丁寧に説明されます。年号ひとつ取っても、創世紀元とキリスト紀元のどちらを軸にするかで“世界”の見え方がまったく違う、という指摘は、自分が無意識に前提にしていた歴史観を揺らしてくれました。 さらに、封建制度や古代的生産様式のような社会構造の成り立ちまで踏み込んでくれるので、「地中海世界が崩れたから西ヨーロッパ世界ができた」といった単純化では片づけられない複雑さを、そのまま受け止められます。歴史を一気に“俯瞰する”というより、時代ごとにどんな世界像が支配的だったのかをひとつずつ確かめていく、そんな読み心地でした。 「歴史の前提から整理し直したい」「自分の世界観の土台を見直したい」という人には特に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
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