
農政改革 行政官の仕事と責任 (日本経済新聞出版)
奥原正明
日経BP / 2019-07-23
この本について
仕事でも日常でも、「結局、動ける人とそうでない人の差って何なんだろう」と考えることがあります。特に組織にいると、仕組みや制度のせいにしてしまいたくなる瞬間がある一方で、現場では工夫して前に進んでいる人もいる。そのギャップにモヤモヤする人は多いと思います。 この本で印象的なのは、抜粋にもあるように、農業の世界でも自分で販路を切り拓いたり、加工や輸出に踏み込んだり、外から人材を引きつけたりする経営者が確かに存在していると描かれていることです。農政という大きな制度の話をしつつも、「現場が動くと行政も変わるし、逆もある」という関係性を具体的に見せてくれるので、ただの理想論では終わりません。行政官の視点から、制度がどこまで現場の背中を押せるのか、そして現場側がどう制度を使いこなしていくのかという、両方向のリアリティがあるところが読みどころでした。 仕組みや環境のせいで動けない気がしていた自分にとっては、「工夫して動く人がいる」という事実そのものが視点の転換になりました。制度を正しく理解することで、現場の可能性を広げられる場面もあるし、逆に制度の限界を見極めることで、自分の動き方がクリアになることもあります。 現場と制度のあいだで足が止まりがちな人に刺さる一冊だと思います。
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