
日本の消費者は何を考えているのか? ―二極化時代のマーケティング
松下 東子、林 裕之、日戸 浩之
この本について
将来への不安や、何を基準に選べばいいのか分からない感じって、ここ数年でさらに強くなっている気がします。若い世代は「安定を崩したくない」と思いつつ、情報が溢れすぎて選ぶだけで疲れる。かと思えば、親の健康や家族の形みたいな、生活の根っこにある問題はどんどん重くなる。自分も仕事の判断に迷うたび、「今の消費者って、何を大事にして動いているんだろう」と考え込んでしまいます。 この本が助かったのは、「若者は内向き」「高齢者は保守的」といった雑なくくりではなく、実際のデータから“なぜそう見えるのか”の背景を示してくれるところです。例えば、海外への憧れが薄れた理由を、意欲や根性ではなく「情報が簡単に手に入りすぎるから」という現実的な視点で捉えている点。あるいは、高齢者のミニマリスト傾向が流行ではなく、人生の棚卸しという文脈から起きている、という読み解き方。読みながら、自分の中にあった思い込みが静かにほぐれていきました。 もうひとつ大きいのは、「選択疲れ」という言葉に逃げず、スマホ時代に意思決定そのものがどう変わったかまで丁寧に追っているところです。情報が増えて賢くなったようでいて、実は比較する画面が小さくなり、判断が難しくなっている。外食や街レジャーが伸びている背景も、“逃避”ではなく“スマホがあるから行ける”という行動面から説明されていて、仕事の企画にもそのまま使える視点でした。 消費者の気持ちを「なんとなく」で掴もうとして迷走しがちな人、あるいは自分自身の価値観の変化を客観視したい人に刺さる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
読書の順序
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