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モノ・サピエンス~物質化・単一化していく人類~ (光文社新書)

モノ・サピエンス~物質化・単一化していく人類~ (光文社新書)

岡本 裕一朗

光文社 / 2006-12

累計読者数3
平均ハイライト数 5.7件/人
推定読了時間 約5時間24分
star総合評価 53/100
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この本について

消費に振り回されている感じというか、「本当に必要じゃないと分かってるのに、つい手を伸ばしてしまう」みたいな自分にモヤッとすること、けっこうありますよね。選択肢は増えているのに、自由になれている実感はあまりないし、自己決定と言われても、そんなに立派な判断を毎回できているわけでもない。そのあたりの違和感を言語化できずに抱えたまま、大人になってしまった気がしています。 『モノ・サピエンス』は、そういうモヤモヤに対して「あなたが悪いわけではなく、仕組みとしてそうなっているだけだよ」と静かに位置づけ直してくれる本でした。たとえば、使い捨て前提の消費行動を「浪費」とか「意志の弱さ」で片付けず、そもそも消費者社会が成り立つための前提だと説明してくれるところ。あるいは、自己決定と自己責任が強調される背景に、人間そのものが“モノ扱い”されやすい構造があると示してくれるところ。この視点を知るだけで、日々の選択に対して少し距離を取れるようになる感覚がありました。 もうひとつ印象的だったのは、「よい/悪い」も「正/不正」も、気づかないうちに「好き/嫌い」へと還元されてしまう情緒主義の話です。SNSでの議論がどこか噛み合わない理由や、他者の立場に想像で入り込む難しさが腑に落ちました。遠近法の比喩もあって、どの位置から見れば世界の形が変わるのか、冷静に考え直すきっかけにもなります。 自分の「判断力」や「消費との距離感」に不安がある人、あるいは社会の変化をうまく言葉にできないまま疲れている人には、じわっと沁みる一冊だと思います。

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書籍情報(出版社紹介・目次)expand_more

出版社による紹介

臓器売買、代理母...ヒトは「パンツをはいたモノ」になり、やがて「使い捨て」られるのか?人間のモノ化(物質化・単一化)、「モノ・サピエンス化」がはじまったのは、広義にとらえれば人類の誕生とともに、少し限定すれば近代以降と考えられる。本書では、それをポストモダンの時代以降と想定。一九七〇年代から八〇年代にかけて、ポストモダンは世界的に大流行したが、この時代に「モノ・サピエンス化」が本格的にはじまったとする。さらにこの傾向に拍車がかかったのは、なんといっても九〇年代から。本書のテーマは「九〇年代以降の人間の状況」であり、このテーマに、さまざまな現象を通して迫っていく。
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