
チンギス・ハンとモンゴル帝国の歩み
ジャック・ウェザーフォード、星川 淳、横堀 冨佐子
Pan Rolling Inc / 2019-10
この本について
最近、「自分の判断がどれくらい狭い世界の常識に縛られているんだろう」と思うことが多いんですよね。ネットでいくら情報を拾えても、結局は似た価値観の中でぐるぐる回っている気がして、視野が広がっているのかよく分からないまま日々が進んでいく感じがあります。 この本を読んで面白かったのは、チンギス・ハンの巨大な征服よりも、彼が“何を公平だと考え、どう世界をつなごうとしたか”の部分でした。支配者にも最下層の牧人と同じく法律を適用する、と当時としては異例の発想を持っていたこと。敵国の使節団にも外交特権を認め、人質を拒んだこと。ローカルな文明同士しか知らなかった世界を、自分の目で確かめ、つなげていったこと。いずれも「力がある側が好き放題できる」という前提をひっくり返していて、読んでいくうちに、自分が当然と思い込んでいる“世界のルール”が、意外と頼りないものに見えてきました。 そして抜粋を見ればわかる通り、著者は征服の華々しさよりも、モンゴル帝国が結果として生み出した秩序や交流、差別や偏見の歴史までも丁寧に描いています。暴力で押し切った話として片付けてしまうにはあまりに多面的で、むしろ「局地的な常識に縛られたまま判断していないか」をじわっと問い返してくるタイプの本です。 自分の世界の狭さにモヤモヤしていて、他の思考の地平を覗いてみたい人に刺さる一冊だと思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの23%が集中しています。
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