
昭和天皇の終戦史 (岩波新書)
吉田 裕
岩波書店 / 1992-12-21
累計読者数3
平均ハイライト数 75件/人
推定読了時間 約2時間56分
star総合評価 77/100
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この本について
戦争や権力の話になると、「結局どこまでが誰の責任だったのか」「後から語られるストーリーはどこまで本当なのか」というモヤモヤがどうしても残ります。きれいに整理された説明よりも、当事者たちの思惑や手探り感のほうが気になってしまう……そんな人には、この本はかなり刺さると思います。 読者が保存していた抜粋を眺めていると、天皇・軍部・官僚・GHQという、立場の違う人々の「言い分」や「視線のズレ」に反応しているのが伝わってきました。たとえば、近衛が責任を軍部へ押しつけようとする場面や、GHQ内部での天皇免責をめぐる微妙な判断、さらには独白録が何を語り何を避けたのかといった部分。こうした“後付けの物語”がどのように形作られていったのかを、事実に沿って静かにほどいてくれるのがこの本の強さです。 読んでいると、歴史の大きな流れを決めたのは誰か、という単純化では辿り着けない視点に触れられます。天皇の積極的発言があった一方で、国民には「非政治的な存在」として受け止められていった過程。軍部だけを悪者にすれば済むわけではない、という著者の冷静な指摘。こうした丁寧な扱いによって、責任の問題を「誰か一人の物語」に閉じ込めずに考えられるようになります。 歴史のなかの人間の判断や迷いを、そのままの温度で見たい人に向いています。
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出版社による紹介
戦争責任ははたして軍部だけにあったのか? 天皇と側近たちの「国体護持」のシナリオとは何であったか? 近年、社会的反響を呼んだ「昭和天皇独白録」を徹底的に検証し、また東京裁判・国際検察局の尋問調書など膨大な史料を調査・検討した著者は、水面下で錯綜しつつ展開された、終戦工作の全容を初めて浮き彫りにする。
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