
“深読み”の技法
小池陽慈
この本について
難しい文章を読むたびに、「結局、何が言いたいんだろう…」と手が止まることがけっこうあります。要点をつかんだつもりでも、いざ他の人に説明しようとすると途端に言葉が詰まる。自分の読解力って、どこを鍛えればいいのかよく分からないまま迷い続けてきました。 『“深読み”の技法』を読んで一番助かったのは、「読めた状態」をかなり具体的に示してくれたところでした。たとえば、述語を起点に文の構造をつかむ方法や、接続表現や文末の“主張”を手がかりに文章の骨格を拾う視点。抽象的な読書術ではなく、実際に手元の文章で試せるレベルまで落ちているので、読み方の癖を見直すのにちょうどいい厚みなんですよね。古文の精読がなぜ現代文にも効くのか、という説明も理屈で腑に落ちました。 もうひとつ刺さったのは、「言語が世界の見方を形づくる」という話です。自分が“理性的に考えているつもり”でも、実は使っている言葉そのものが思考の枠を決めているかもしれない。学術的な文章に潜むイデオロギー性に無自覚でいる危うさも含めて、読み手側の姿勢を問い直してくれる感覚がありました。内容をまとめることと、筆者の思考の筋道を再現することは全く別物だという指摘も、仕事で要約を扱う身としては耳が痛いほど納得です。 文章と本気で向き合いたいけれど、どこから直せばいいか分からない人に向いている一冊だと思います。読めたつもりから一歩先に行きたいタイミングの人にはかなりしっくりくるはずです。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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