
NUDGE 実践 行動経済学 完全版
リチャード・セイラー, キャス・サンスティーン, and 遠藤 真美
日経BP / 2022-11-18
この本について
仕事でも生活でも、「あとでやろう」と思って放置してしまう場面ってけっこうありますよね。頭ではわかっていても、ホットな状態になると判断がぶれるし、逆に落ち着いているときは未来の自分を過信してしまう。自分の中で計画者と実行者がずっと取っ組み合ってる感じ、よくわかります。 『NUDGE 実践 行動経済学 完全版』は、そのモヤモヤに対して「人はもともと完璧に選べる存在じゃない」という前提から話が始まります。そのうえで、どう環境を整えれば選択がラクになるのかを、やたら現実的な例で見せてくれるんです。たとえば、年金プランの加入率が低いのは怠慢ではなく、選択プロセスが複雑すぎるせいだとか。あるいは、ホットな状態で自分がどう振る舞うか想像できないから、セルフコントロール問題に備えようとしないとか。「なんで自分はこうなんだ」と責める前に、選択アーキテクチャーのほうを見直したほうが早いよね、という視点が腑に落ちます。 特に刺さるのは、「避けられる介入だけがナッジ」という線引きや、「人はベストな選択ができる」という前提の崩し方。強制や命令ではなく、そっと背中を押すような設計がどれだけ行動を変えるのか、読んでいると自分の生活のあちこちに同じ仕組みが見えてきます。目覚ましをベッドから遠ざけるとか、手続きの入り口をもっとシンプルにするとか、今日から試せるレベルの工夫ばかりです。 自分の意思の弱さに悩むより、「選択の場そのものを整える」という考え方を知りたい人に向いている本です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの31%が集中しています。
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