
権力の日本史 (文春新書)
本郷 和人
文藝春秋 / 2019-11-20
この本について
仕事でも日常でも、「この場で誰が本当の決定権を持っているのか分からない」とか、「立場が絡むと人の振る舞いってこんなに変わるのか…」みたいな違和感を抱えることがよくあります。自分の判断というより、見えない力関係に振り回されているような感覚です。そこがモヤッとしたままだと、人間関係の読み違いも増えるし、無駄に疲れます。 この本を読んで面白かったのは、過去の政治や朝廷のゴタゴタが、権力をめぐる「構造の問題」としてすごく生々しく描かれているところでした。たとえば、南北朝が一本化されないほうが室町幕府にとって都合がよかったとか、貴族社会では譲った瞬間に永遠の格下になるとか、現代の職場でも思い当たる光景がそのまま出てくる感覚があります。歴史の話なんですが、「ああ、人は立場が絡むとこう動くんだな」という視点が整理されるので、目の前の人の行動も読みやすくなるんです。 もうひとつ刺さったのは、鎌倉幕府が貨幣経済の変化に対応できず、そこに外圧が重なり、一気に瓦解していく流れ。組織がうまくいっている時ほど、環境変化を軽く見てしまう怖さを感じました。自分の仕事に置き換えると、今は回っている仕組みほど「いつ通用しなくなるか」を見ておいたほうがいいのかもしれない、という現実的な教訓になります。 歴史を知識としてではなく、「人と組織がどう動くか」という観点で見るのが好きな人には特に刺さると思います。過去の権力争いを読むことで、日常の小さな違和感の正体がちょっとだけ言語化される一冊でした。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第2章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの43%が集中しています。
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