
みずほ銀行システム統合、苦闘の19年史 史上最大のITプロジェクト「3度目の正直」
日経コンピュータ, 山端 宏実, 岡部 一詩, 中田 敦, 大和田 尚孝, and 谷島 宣之
日経BP / 2020-02-15
この本について
大きい会社でも、小さなチームでも、「なんでこんなにシステム周りの意思決定って噛み合わないんだろう…」と感じることがあると思います。現場は必死なのに経営はピンときていないし、逆に経営が危機感を持っても現場は動けない。自分も仕事で似た状況に何度も遭遇してきて、そのたびにモヤモヤしていました。 みずほ銀行の19年にわたるシステム統合の記録を読むと、そのモヤモヤの正体が少し見えてきます。たとえば「ソフトは稼働した瞬間から陳腐化する」という当たり前の前提が抜け落ちた瞬間、組織全体がどう鈍くなるのか。また、システム部門が専門用語で話してしまう問題はよく語られますが、本書は逆に「理解できるようにさせるのは経営の仕事」という視点を突きつけてくれます。責任の線引きが曖昧なまま走り続けた結果、誰も止められなくなる怖さも、異常時の運用シナリオが用意されていなかった場面を読むとリアルに伝わってきます。 読んでいて、自分の現場に置き換えられるポイントがいくつもありました。大規模プロジェクトだけの話に見えて、実際は「変化し続ける環境で、どこまで目を配れるか」という汎用的な話でもあるんですよね。長年動いている仕組みほど、安心感と油断がセットでついてくる。その空気をどう扱うかが組織の明暗を分ける、というのは自分にとっても痛いほど身に覚えがあります。 特に、技術と経営のあいだに立たされて悩んでいる人には刺さるはずです。自分もこういう本に出会うたびに、「ちゃんと目の前の“当たり前”を疑えているか」を問い直しています。
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