
現代思想2020年3月臨時増刊号 総特集=フェミニズムの現在
菊地 夏野、河野 真太郎、田中 東子、ヤマシタ トモコ、貴戸 理恵、鈴木 涼美
累計読者数3
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この本について
フェミニズムの本を読むたびに、「今の議論って誰のためなんだろう」とか、「結局きれいな言葉だけが消費されていないか」といったモヤモヤが残ることがあります。現場での分断や、可視化される言説とこぼれ落ちていく経験との差を前にすると、何をどう捉えればいいのか分からなくなるんですよね。僕自身もずっとその揺れの中にいます。 この特集号は、その“揺れ”そのものを扱っている印象でした。企業文化やメディアに乗りやすいフェミニズムと、そこに入りきらない声の違いを丁寧に言語化してくれるので、自分がどの位置から議論を見ていたのかが少し整理されます。また、ポストフェミニズムや第三波といった大きな流れも、制度・歴史・文化を横断して説明されているので、今起きている分断の背景が立体的に見えてきます。さらに、作品の読みや社会運動の事例を通して、何を「可視化」と呼び、何が不可視のまま残ってしまうのかを問い直してくれるのも大きかったです。 華やかな言説だけでは拾いきれない違和感を抱えている人、あるいは「自分の立ち位置が分からないまま議論を追ってしまっている」と感じる人には、かなり刺さると思います。僕にとっては、考え続けるための地図をもう一度描き直させてくれる一冊でした。
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