
准教授・高槻彰良の推察4 そして異界の扉がひらく (角川文庫)
澤村 御影 and 鈴木 次郎
KADOKAWA / 202005
この本について
人前では平気そうに振る舞っていても、実は疲れていたり、弱音を出すタイミングを見失ったり。自分でも気づかないうちに「笑ってごまかす」癖がついていると、ふとした瞬間にしんどくなりますよね。僕もよくそういうところがあって、「強がるのって意外と体力使うな…」と後になってから気づくことがあります。 『准教授・高槻彰良の推察4』は、まさにその“笑顔の鎧”をテーマのひとつとして扱っているように感じました。高槻の柔らかい笑みや、どんな時でもニコッと返す仕草が、ただのキャラクター描写じゃなくて、彼が背負ってきたものを静かに滲ませています。読者の方がたくさん抜き出しているのも、その笑顔の裏にある痛みや距離感に、自分の姿を重ねたからではないでしょうか。 物語自体はオカルトの謎を追うシリーズですが、恐怖や怪異よりも、人が「説明できないものを前にした時どう振る舞うか」に重心があります。知らない方がいいことに手を伸ばしてしまう気持ち、無理してでも誰かを助けに行ってしまう衝動、そのたびに揺れる関係性。こういう揺らぎを丁寧に拾ってくれるので、自分の中の曖昧な部分にもそっと手を当てられる感覚があります。 「強く見せるのが癖になっている人」「笑うことで距離を取ってしまう人」には特に刺さる巻だと思います。僕自身、読み終えてから“強がりすぎると大事な話ほどこぼれ落ちるな”と少しだけ視点が変わりました。そんな小さな変化を求めているときに、そっと寄り添ってくれる一冊です。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの20%が集中しています。
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