
読みたい心に火をつけろ! 学校図書館大活用術 (岩波ジュニア新書)
木下 通子
岩波書店 / 2017-06
この本について
「本って読めたほうがいいのは分かるんだけど、生徒にどう勧めればいいか分からない」とか、「図書館をもっと活かしたいのに、現場で何をすればいいのかが掴めない」という声、けっこうよく聞きます。自分も似たようなところでつまずくことが多くて、義務感と理想のあいだで揺れる感じがずっとありました。 この本がありがたかったのは、図書館を盛り上げるための“立派な理論”ではなく、日々の小さな場面をどう積み重ねていくかが丁寧に書かれているところです。たとえば、本を読まない生徒との距離の縮め方や、返却カウンターで交わす短い会話から関係が変わっていくプロセス。あるいは、授業で必要とされるときに即応できるよう、普段から蔵書を把握し、自分の読書量そのものを仕事の基盤にしていく姿勢。どれも「すごい技術」というより、現場でひとつずつできる行動として描かれています。 もうひとつ心に残ったのは、学校司書という仕事が外から見える以上に孤独で、でも同時に他校の司書や書店員との関わりが大きな支えになるという話です。制度や配置の問題まで踏み込んで書かれていて、目の前の仕事だけでは語りきれない“背景”にも触れられます。自分の悩みが個人の能力の問題じゃないと分かるだけでも気が楽になります。 特に、日々の仕事のなかで「自分のやり方はこれでいいのか」と迷い続けている学校司書の方にじんわり効く一冊です。生徒との距離の取り方や、図書館という空間の育て方に、少しだけ新しい視点が生まれると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの33%が集中しています。
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