
虫とゴリラ
養老 孟司 and 山極寿一
毎日新聞出版 / 2022-10-31
この本について
仕事でも日常でも、相手との距離感がよくわからなくなる時があります。つい言葉で説明しようとして空回りしたり、判断に自信が持てなかったり、自分の感覚がどんどん鈍っているような心もとなさがある。そんなときに思い出すのが、「人間ってそもそもどうやって世界を感じてきたんだっけ?」という視点でした。 『虫とゴリラ』は、まさにそこを揺さぶってくれる本です。養老さんと山極さんが語る話は、どれも難しい理論ではなく、「人間という生き物のクセ」を素直に見つめ直すものばかり。例えば、言葉でコントロールしようとするときの無意識の働きとか、触覚や嗅覚を無視して育つと“世界を受け付けなくなる”子が出てくる話とか、データで未来を予測される社会への違和感とか。読んでいて、自分の悩みの出どころが意外と身体感覚の欠落にあるんじゃないか、と腑に落ちてきます。 一番効いたのは、「わからなさにすぐ名前をつけないほうがいい」という姿勢でした。虫を見てすぐ図鑑を引かせないほうがいい、という話が出てきますが、大人になっても同じで、答えを急ぐほど世界の輪郭が曖昧になる。判断に迷うときほど、“まず感じる”というステップを飛ばしていたなと反省しました。 自然や身体感覚を取り戻すことが、結局は仕事の判断や他者との関係の土台になる。そんな感覚を思い出させてくれる本です。 自分の「感じる力」が最近ちょっと弱っている気がする人には、特に刺さると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第3章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの38%が集中しています。
読書の順序
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