
証券会社がなくなる日 IFAが「株式投資」を変える (講談社現代新書)
浪川攻
講談社 / 2020-09-16
この本について
投資のことを考えるたびに、「なんでこんなに情報が多いのに、判断はいつも手探りなんだろう」と感じることがあります。証券会社に相談しても、どこまでが自分のためで、どこからが会社都合なのか分からない。商品を勧められても、それが本当に自分の将来に合っているのか確信が持てない。そんなモヤモヤを抱えたまま、結局「よく分からないまま続ける」人をたくさん見てきました。正直、自分もその一人でした。 この本が面白いのは、「証券会社が何をしているのか」だけでなく、「なぜ私たちがずっと不安なままなのか」を、構造レベルで説明してくれるところです。たとえば、テーマ型ファンドの乗り換え営業が繰り返される理由や、リバランスが必要でも実行しづらい現場の事情、販売会社と投信会社の力関係といった“裏側”が、読者側の視点からすっと腑に落ちる形で語られていきます。そして対照的に、米国のRIAやチャールズ・シュワブの例を通じて、「顧客が主語」の金融サービスがどう成り立っているのかが見えてくる。仕組みが変わるだけで、アドバイスの質や顧客との関係性がここまで違うのかと驚きました。 読んでいて感じたのは、投資の正解が分からないことよりも、「自分がどんな立場の人に相談しているのか」を知らないことが不安につながっていたんだな、ということです。この本はその視点から、今の日本の証券営業の限界と、IFAやRIAのような別のアプローチの可能性を現実的に描いてくれます。派手な成功談などはなく、地味だけれど実務に根ざした話ばかりなので、逆に信頼できるんですよね。 自分の資産をどう守るか悩んでいる人よりも、「誰に相談すれば安心できるのか分からない」という人にこそ刺さる一冊です。投資の前に、まず“関係性の仕組み”を理解したい人にはかなりしっくりくると思います。
読書インサイト
ハイライト密度
多くの読者は第1章に最もインサイトを感じており、全ハイライトの19%が集中しています。
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