
哲学者ディオゲネス 世界市民の原像 (講談社学術文庫)
山川偉也
講談社 / 2008-01-11
累計読者数4
平均ハイライト数 6.3件/人
推定読了時間 約6時間53分
star総合評価 39/100
start序盤集中型
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この本について
日々、人との距離感とか、当たり前とされているルールにどこかモヤっとしながら、それでも「まあ仕方ないか」と自分を丸めて過ごしてしまうことってあると思います。僕もけっこうそうで、気づけば周りの空気に合わせるだけで終わる日があるんですよね。 この本のディオゲネスは、そんな曖昧な境目をごまかさずに生きようとした人でした。権力者が目の前に来ても光を遮られたらどいてくれと言うし、街の雑踏にランプを持って出て「人間を探している」と平然と言い放つ。奇抜さよりも、彼が「世界ってほんとにこの形で納得していいのか」を自分の体で確かめようとしていた点が妙に胸に残ります。運命に勇気を、習慣に自然さを、情念に理性をぶつけるという姿勢は、僕らの日常にも静かに効いてくる感覚があります。 もうひとつ印象深いのは、通貨変造の話のように、彼がただの反抗者ではなく、具体的な怒りや義憤を抱えた一人の市民だったということです。世界市民という大きな理念も、こうした生活の感情の延長にあるんだなと感じられて、妙な距離の近さが生まれます。 常識に違和感を覚えつつも、うまく言語化できないまま過ごしてしまう人に刺さる本だと思います。自分の輪郭をもう一度確かめたいときに、静かに助けてくれる一冊でした。
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出版社による紹介
ギリシアの枠を飛び越えた「犬哲学者」の実像 甕(かめ)の中に住まい、頭陀袋(ずたぶくろ)を下げ、襤褸(ぼろ)をまとって犬のようにアテナイの町をうろつき、教説を説いたシノペのディオゲネス。おびただしい数の逸話で知られる「犬哲学者」の思想とは、いったいどのようなものだったのか。アリストテレス的人間観や当時の伝統・習慣を全否定し、「世界市民」という新しい理念を唱導・実践した思想家の実像を探り出し、われわれ現代人の生き方を模索する。 「犬」と呼ばれたシノペのディオゲネス。ひとは彼についてどれほどのことを知っているだろうか。(略)昼日中にランプを灯してアテナイの雑踏を往来しつつ「わしは『人間』を探している」と言い放ったとか、なにかそういう類の奇抜な逸話が知られているだけではあるまいか。だが、知るべきはこの男の生き方、その根底にあった「世界市民」思想だ。――<「序章」より>
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