
ユリイカ2021年2月号 特集=坂元裕二――『東京ラブストーリー』から『最高の離婚』『カルテット』『anone』、そして『花束みたいな恋をした』へ…脚本家という営為
坂元 裕二、ケラリーノ・サンドロヴィッチ、豊原 功補、満島 ひかり、永山 瑛太
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この本について
仕事でも日常でも、人と話していて「この説明、本当に必要だった?」と後からモヤッとすることがあります。うまく言葉を選ぼうとするほど、相手との距離が逆に遠くなる感じ。私もよくやらかします。そんなときに坂元裕二さんのやり方に触れると、目の前の人の「ちょっとした揺れ」をもう少し丁寧に見てみようかな、と思えてくるんです。 この特集で語られているのは、脚本の技法というより、人をどう見るかという姿勢でした。説明のための台詞をできるだけ削り、登場人物ひとりひとりに「その日ほかに考えていることがある」という前提で向き合うこと。三人より四人のほうが場の空気が安定するといった話も、仕事の会議や友人関係を思い返すと妙に納得します。そして、自分が用意した言葉が俳優にとって「言えない」なら、それは言わないほうが正しいという考え方にも、他者の感覚に委ねる余白の大切さを感じました。 私自身、相手の言葉を急いで補完したり、場を整えようと説明しすぎたりする癖があるのですが、坂元さんの視点に触れると、人との距離感をもう一度ゆっくり組み直したくなります。物語づくりに興味がなくても、人間関係の違和感を抱えたまま日々を続けている人にはしっかり刺さる一冊です。
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